恐ろしいことだ。
監督の小澤氏は勝沼史上脈々と続けられている部落対抗ソフトバレーボール大会にお呼びがかかったことはただの一度もない逸材。
甘利氏は若干心得があるものの見るからに格闘家体形でジャンプ力は未知数である。「いや凄腕だ!という噂もある」
そして陽一君に睦男君、柔道は人に教える程の腕前だがボールを浮かせたまま相手に返すというこのスポーツに体が反応してくれるのか。
そして・・である。女性が必ず1人入らなくてはならない。そこで白羽の矢が立ったのは甘利氏が経営するピーネックオーチャードで社長をあごで使っているアナリン(主任)だ。アナリンは生まれも育ちもフィリピン。トマトならいくらでも社長や陽一君をめがけて投げたことも、スパイクをかましたこともあるが、ソフトバレーボールの経験は・・ない。
そしてチビな私。
主催者が記念すべき第一回目で優勝してはいけないことぐらいわかっている。だからといって全ての試合をシャットアウトで負けてもいいのであろうか。相手のチームに迷惑をかけないだろうか?笑いだけは存分に提供できることは間違いないのだが。
そして・・小澤氏の体が激戦に耐えうるのであろうか。今からとても不安である。
そしたら今日、小澤氏から電話があって「数日後に練習試合を組んだよ」というのだ。いったいどうなってしまうんだ。そこまで燃えてどうするんだ。