なーんだタライに氷をいれてジュースを冷やすんだ、でも去年それやったら氷代金が高くついて赤字になったって言ってたのに・・と指摘すると「いいやジュースはいれない氷を立てかけて少し水をはって来場者が手を入れて"冷たくて気持ちがいい!”と叫んでくれればそれでいい!」
古きよき時代、一家に一台テレビが配属される前。夏場の涼をとるために風上に氷の塊を立てかけて、さらに風鈴をその上にぶら下げて「涼しいなあ」を演出してくれたあの氷柱だ。当たり前田のクラッカーかテンプクトリオの全盛期か。私のはまったエイトマンとスーパージェッターは世に出ていない頃だろう。
動物園のシロクマもこの猛暑には氷の塊をプラゼントしてもらっているようだがかつぬま朝市でもお客さんに手を突っ込んでもらいたい、涼を感じてもらいたいだけのために氷屋さんの氷を用意するなんて・・「粋!!!」ということで私は大賛成!
ジュースを冷やすなんて姑息な手段はいらない。氷柱をぶったてて皆さんに涼をとってもらえればいいんだ!
というわけで朝市開催1時間前、小澤氏はお隣山梨市の氷屋さんからゲットした6キロほどの氷を水をはったタライに立てかけた。
45分後、タライを見ると今まで立てかかっていた氷がない!盗まれたか?と覗き込むとさっきまで突っ立っていた氷は折からの熱波でタライの水に全身で横たわりズンズン解けていっている最中であった
時計を見ると8時45分。あれ?まだ朝市始まる時間の前じゃん。小澤氏は頭をポリポリかきながら「もう来年はやらない・・」とつぶやいた。私は去っていく小澤氏の後姿に「真冬にやれば成功するよ」とジョークを飛ばす勇気はなかった。
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